生存細胞および固定細胞の両方における遺伝子発現およびトランスフェクション効率を求めるためには、蛍光タンパク質がフローサイトメトリーで広く使用されており、セルソーティング実験を行う場合に特に有用です。 それらは、転写因子、プロモーター活性および細胞発現パターンのレポーターとして、またフローサイトメトリーの高い処理能力を活かしてRNAiおよびCRISPR活性のスクリーニングに利用することができます。 また、蛍光タンパク質によっては、光活性化(Photoactivate)が可能であったり、光スイッチ(Photoswitch)可能であったり、FRET実験において使用されることがあります。 当初、GFPだけしか知られていませんでしたが、今では様々な波長で励起発光する100種類以上の蛍光タンパク質があり、マルチカラーフローサイトメトリーに最適です。
フローサイトメトリーは、細胞表面上あるいは細胞内の両方におけるマーカーの発現を定量化することができますが、細胞の濃度や、絶対定量化に関する情報は必ずしも得られません。 これを行うためには、蛍光ビーズを添加して、それを計数します。 既知濃度で既知量のビーズをサンプルに添加して、データを得られた場合、そのビーズの数は細胞の数に比例します。 サイトメーターによっては、採取したサンプルの液量を測定することにより正確な細胞数を与えることができますので、1mlあたりの細胞数を測定することができます。
種々の細胞プロセス、例えば、 食作用において、粒子や細胞表面マーカー、抗原の内在化が起こります。それらを定量化するには、内在化される粒子を蛍光標識して、フローサイトメトリーで定量化するのが有効であることが示されています。 内在化されたときにその蛍光特性を変えるか、または表面結合では蛍光を発していたものが消光することで、表面と内在化された粒子の間の違いを測定できます。
1990年代後半に、フローサイトメトリーでの蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)が最初に行われたのは、テロメアの長さを求めるためでした。 蛍光核酸プローブを用いて特定の反復配列を標識し、次いでソフトウェアを用いて蛍光を測定します。 以来、mRNAのレベルの定量化を可能にするRNA発現プロトコールが開発されています。定量的RTPCRは非常に敏感ですが、ある細胞集団についての情報だけしかわからないのに対し、フローサイトメトリーを用いる方法は、表面染色と組み合わせることで、特定の細胞あるいはサブセットごとに解析できますので、強力なツールです。